| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-198 (Poster presentation)

八丈島におけるヤシ類に着生する着生シダの分布特性

松井美咲*(明治大院),倉本宣(明治大農)

八丈島では、街路樹として数種のヤシ類を植栽している。景観形成目的に特にビロウが多く植栽されている。ビロウは本来八丈島に自生しておらず、大東諸島や小笠原諸島の方から持ち込まれたものだとされている。しかし、市街地や八丈植物公園内に植栽されているビロウは、八丈島に自生している着生シダがハビタットの一つとして利用していた。そこで本研究では、八丈島におけるヤシ類上の着生シダの分布特性を明らかにし、着生シダへハビタットを提供するヤシ類の着生しやすさに着目し、ヤシ類がもたらす生物多様性への影響について考察した。

八丈植物公園内と街路樹のヤシ類を対象とし、着生シダはオオタニワタリ、ノキシノブ、ヒトツバ、マツバラン、タマシダを対象とした。どのヤシも着生シダが出現したが、出現種や頻度は異なっていた。また、ヒアリング調査によって、ヤシ類が島と島、島と本州間で人の手によって行き来されているが、着生シダをつけたまま運ばれていることがわかった。八丈島は、戦後外来種であるヤモリやアマミサソリモドキなどがソテツなどの植物に随伴されて移入分布している過去がある。これは、植物においても自生種との遺伝子の攪乱などの可能性がある上、今後も外来種の持ち込み、持ち出しが懸念される。着生シダの視点から考え、今後も引き続きヤシ類がもたらす生物多様性への影響について、早急的かつ継続的に調査していく必要がある。


日本生態学会