| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-312 (Poster presentation)

環境DNA分析手法を用いたオオサンショウウオ(Andrias Japonicus)の広域調査

*日髙舜介,勝原光希,冨田勢,丑丸敦史,源利文(神戸大・発達)

近年、生物多様性の保全が世界中で課題となっており、生物多様性を保全その中で、生物種の分布を知るということは、非常に重要である。しかし、従来のモニタリング手法による分布調査は、特に水生生物種において、労力的あるいは時間的なコストが大きく、希少種や底生生物の発見は時として困難である。近年、このような従来法のデメリットを補完しうる環境DNA分析手法の利用がすすんでいる。環境DNA分析手法は、水中に生息する生物の糞や粘膜由来のDNA断片を検出することで、その水域における対象種の生息の有無を調査する手法である。この手法は、調査地において水を汲むのみで、あとは研究室で解析を行うだけなので、調査地での時間的・労力的コストを削減し、目視での確認が 難しい希少種の検出も容易に行うことができる。

オオサンショウウオ(AndriasJaponicus)は、IUCNのレッドリストに準絶滅危惧種として掲載され、国の特別天然記念物にも指定されており、分布域の縮小や外来種との競合交雑により個体数が減少していると考えられる。しかし、本種は水中に生息することや、夜行性であることから広範囲における詳しい分布情報を知ることは難しい。

本研究では、環境DNA分析手法を用いて、日本固有種であるオオサンショウウオについて西日本全域にわたる広域調査を行った。14水系の合計414地点調査を行い、そのうち141地点においてオオサンショウウオの環境DNAの検出に成功した。このデータに基づき、Maxentを用いてオオサンショウウオの西日本における生息適地モデルを構築した。このモデルより、オオサンショウウオ減少の要因と、環境DNA分析手法による分布情報と生息適地モデルの相性について検討を行った結果について報告する。


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