| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-330 (Poster presentation)

非モデル生物で利用可能な多検体SNP検出法(改良版RAD-seq)の開発と要約作製ツールの提供

*手塚あゆみ(龍谷大・農), 八杉 公基(基生研・神経生理学), 永野惇(龍谷大・農)

次世代シーケンサーの発達とその利用コストの減少により、ゲノムワイドなSNP検出は、年々容易になってきている。次世代シーケンサーを用いたSNP検出のうち、有力な方法のひとつにrestriction-site associated DNA sequencing (RAD-seq)がある。RAD-seqとは、ゲノムを制限酵素により切断し、制限酵素認識部位の周辺配列のみをNGSでシーケンスする方法である。RAD-seqの利点の一つに、必ずしもレファレンスゲノムを必要としないことが挙げられる。そのため、利用可能な実験対象種は、遺伝学的な非モデル生物を含んだ広範な分類群にわたる。本研究では、既存のRAD-seqプロトコルを改良し、低コスト化、多検体化したRAD-seq法を開発し、さらにSNP検出結果をまとめるサマリー作成ツールを提供する。龍谷大学農学部では現在、このパイプラインを利用したRAD-seqの共同利用を募集しており、既に多くの生物種で、数十万の座位の配列を決定し、1万以上のSNP検出に成功している。発表ではRAD-seqの原理や費用などを紹介する。広くご利用いただき、様々な研究の一助となれば幸いである。


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