| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-346 (Poster presentation)
2015年5~7月、10~12月のうち、月1回程度の頻度で、青森県東北町に位置する姉沼に設置した定置網でイシガイ科二枚貝(イケチョウガイ、ヨコハマシジラガイ、ドブガイ属)の宿主魚類(ヌマチチブ、ジュズカケハゼ、ウグイ、ワカサギ、ウキゴリ)を採捕し、屋内で種類ごとに脱落稚貝を得た。このうち、イケチョウガイ、ヨコハマシジラガイ、ドブガイ属については、姉沼で採取した底質(砂、シルト混じり)をシャーレに入れ、脱落稚貝の潜行有無の確認および行動観察を行った。その結果、全ての個体が本科稚貝が底質上を徘徊するのではなく数秒で潜行した。ただし、全ての個体が稚貝殻長と同程度ほどの深さしか潜行せず、潜行後に底質内で徘徊した。潜行する時間は、イケチョウガイが最も早かった。また、姉沼の底質をふるい分けし、シルト(75μm)、砂(250μm)、礫(850μm)の3種に分けてタガイの潜行の有無について実験した。この結果、シルトで50%、砂で25%、礫で12.5%と粒径が小さいほど潜行個体割合が高かった。本科稚貝生態については、不明な点が多いが、今回の簡易な実験では選好性はあるかもしれないが、底質に潜行する可能性が示された。今後、サンプルを増やし、実験を継続するとともに、底質に潜行した状態での生残性の高低についても調べる。