| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-015 (Poster presentation)

嗜好飲料の摂取によるハツカネズミの血糖値上昇の変化

渡邊 葵乃 (横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校)

私はマウスの血糖値の飲料による変化を調べました。コーヒーや紅茶などの飲料によって、食事や甘いものと一緒にとって美味しく、かつ糖尿病を予防できれば、続けやすくて効果的だと考えたからです。その変化が人間にも当てはまるとは限りませんが、マウスの特徴や、人間に役立つ可能性があることを知ることができれば良いと思い研究することにしました。

○糖尿病について

近年、糖尿病や糖尿病予備軍になる人の数は増え続けています。糖尿病にはⅠ型、Ⅱ型がありますが、Ⅱ型糖尿病は日頃の生活習慣による高血糖や肥満によって起こります。また、糖尿病になりその後も高血糖状態が続くと、失明や腎臓の病気になってしまいます。こうした合併症を防ぐためにも、血糖値を適度にコントロールしなければいけません。

実験ではマウスにえさと飲料を与え、30分間自由に食べさせ、血糖値を測定しました。使ったのは爽健美茶、十六茶、コーヒー、紅茶、緑茶です。また、マウスが自由に行動しているときの様子を観察しました。

結果は、食後すぐの血糖値は水と比べ、コーヒーで高くなりました。しかし、食後30分後の血糖値は水と比べ、コーヒーでは低くなりました。コーヒーを飲んだ時の行動を見ると、マウスの回し車の回転数は水より多くなりました。

また、紅茶、緑茶は食後すぐの血糖値は水と比べ、低くなりました。

考察として、コーヒーはマウスの血糖値の上昇を緩やかにするか、逆にピークを早めるのではないかと考えられます。またコーヒーを飲んだ時に血糖値が水より低く、運動量が多いマウスがいたことから、コーヒーによって興奮したマウスが運動をたくさんすることにより、血液中の糖が使われるため、血糖値上昇抑制に効果があるのではないかと考えられます。


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