| 要旨トップ | ESJ63 企画集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


企画集会 T16 -- 3月22日 9:30-11:30 RoomJ

これからの生態学における土壌動物の位置づけ

企画者: 長谷川元洋(森林総研四国), 兵藤不二夫(岡山大 異分野コア), 小林真(北大 FSC)

2015年は国際土壌年とされ、研究者から広く一般にも土壌の重要性が再認識された年であった。土壌には地上に比べると遙かに多様で、量も豊富な土壌動物が生息しており、生態系の中で様々な役割を持つとされる。一方、土壌動物の生態研究は、分類の難しさや、土のなかで対象が見えないといった困難さのため、生態学の中でも難解なテーマでありつづけたたが、現在では、新たなツールや切り口を得た研究がなされつつある。

 本年2016年の8月には、国際土壌動物学会議および無翅昆虫学会議が奈良で開催される予定となっている(http://soilzoology.jp/icsz_ica2016/)。同大会では、「地球の将来のための土壌生物多様性」という表題をかかげ、人類の持続可能な生活の基盤となる植物の成長を支える土壌動物の働きを明らかにすることを目的としている。そこで、本集会では、同大会で開催される「多様性と種分化」「生態及び生態系機能」「地球環境変動」の3つのセッションの中における国内の代表的研究者を集め講演を行い、国際大会の予告編として、その研究の魅力をつたえ、きたる大会への参加を促したい。また、土壌動物を専門としない、研究者の方から寄せられる土壌動物への関心についてコメントを頂く予定である。

コメンテーター

森章(横浜国大)、大園享司(京大 生態研センター)、金子信博(横浜国大)

[T16-1] 趣旨説明 土壌動物をめぐる生態学的関心について  長谷川元洋(森林総研 四国)

[T16-2] 山地の森林に生息する大型土壌動物の群集形成プロセス  *池田紘士(弘前大),福森香代子(国環研),加賀谷悦子,高橋正通(森林総研),伊藤雅道(駿河台大) ,酒井佳美(森林総研), 松本和馬(国際環境研究協会)

[T16-3] 森林土壌性トビムシの群集構造の特徴と今後の展望  菱拓雄(九大 農)

[T16-4] 同位体が解き明かす土壌動物の食性と生態系機能  兵藤不二夫(岡山大 異分野コア)

[T16-5] 生態系改変者ミミズが土壌炭素動態に及ぼす影響  金田哲( 国)農環研)

[T16-6] 分解系における土壌小型節足動物の機能を問う  藤井佐織(アムステルダム自由大)

[T16-7] 気候変動が土壌ー植物系のもつ生態系機能へ及ぼす影響 - 大型土壌動物を介したプロセス  小林真(北大 FSC), 金子信博(横浜国大 環境情報)


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