| 要旨トップ | ESJ63 自由集会 一覧 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


自由集会 W24 -- 3月23日 15:30-17:30 RoomF

生態学における英語化を考える

企画者: 島谷健一郎(統数研)

「英語の授業は英語でする」「小学校の早い時期から英語を学ぶ」「社内公用語を英語とする」「講義は英語でする」「ゼミも英語でする」日本社会の各地で英語化が進んでいます。生態学研究も例外ではありません。「英語のほうが国際化の将来を見据えて有益である」と考える人も多いことでしょう。こうした主張はどのような根拠に基づくのでしょうか。

英語に限らず、言語政策や外国語教育を専門とする研究者が世界に数多くいます。世界各地における事例を基に(日本は明治期、敗戦後と2度にわたる言語政策の転換に直面し、結果的に2度とも母語を重視する政策を選んでいます)、どのような外国語及び母語政策がどのような結果を招いたか詳細に調べられており、既に多くの教訓を得ています。その中には、「安直な外国語奨励策は国と文化を滅ぼす」「母語で科学を考えることの意義を軽視しない」という主張や、英語化にしばしば伴う「英語で行うほうが上等である」という意識に対する警鐘も見られます。一方で、科学論文の発表や、国際的なコミュニケーション・情報収集を英語で行う必要性は厳然と存在しています。私達は何に留意し、どこに道を探って行くのが良いのでしょうか。

そこで、集英社新書から「英語化は愚民化」を出された施光恒氏を講師に招き、言語政策に関する基礎的な解説から始め、生態学研究における英語化について、一緒に考えてみることにしました。

言語は生態学と似た側面を持っています。言語も絶滅します。言語の絶滅は、種の絶滅以上に進行しています。外来種-固有種と外国語-母語などにも類似がありそうです。

趣旨説明:生態学研究における英語化を考える 島谷健一郎 (統数研)

英語化政策にはらむ危険性 施光恒 (九州大学比較社会文化研究院)

全体討論

コメンテータ:伊勢武史(京大・フィールド研)、佐藤克文(東大・大気海洋研)、田中健太(筑波大・菅平セ)、荒木希和子(立命館大)、ほか


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