| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(口頭発表) A02-09  (Oral presentation)

空間構造をもつ湖沼生態系モデル

*佐藤一憲(静岡大学)

これまでに,レジームシフトを示す様々な湖沼生態系モデルが提案・解析されてきた.そのようなモデルの一つとして,ここでは,Scheffer (1998)をベースにした空間構造をもつ湖沼生態系モデルである,Hilt et al. (2011)の複数の湖沼を連結させたモデル(あるいは単純な河川のモデル)について考える.すなわち,1次元空間上に100個の連結した湖沼を考えて,各々の湖沼のダイナミクスをScheffer (1998)のモデルに上流の湖沼からの水の流入を加えたものとする.このとき,流入率が十分に小さければ,水生植物が繁茂する状態と,植物プランクトンが卓越する状態の2つの状態が安定になる場合があることが示されている.この講演では,連結する湖沼の個数を変更したり,双方向に水が流入すると,ダイナミクスにどのような影響が生じるのか報告する.また,2次元空間上に連結した湖沼の場合には,1次元空間上のモデルとどのような違いが現れるのかも示したい.

Scheffer (1998) “Ecology of shallow lakes”
Hilt et al. (2011) Oikos 120: 766-775


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