| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-H-266  (Poster presentation)

ミミズ呼吸量の動的測定

*米村正一郎, 金田哲(農研機構・農業環境変動研究センター)

ミミズは土壌団粒構造を形成するため土壌物質循環で重要な役割を果たす土壌動物である。物質循環的にはミミズの有無に基づいて、土壌の呼吸量が評価されることが多いが、ミミズ自体の呼吸についての研究は限られる。特に、ミミズの個体の呼吸量を連続測定する研究は1970年代にさかのぼり、それらは20-40個体に対しての呼吸量の測定であった。それからは全く研究がなされていない。この発表では、現在、土壌に適用されている土壌ガス交換量自動測定システムをミミズに適用し、ミミズ個体(フトミミズ、あるいは2,4個体のサクラミミズ)の呼吸量の連続測定を行った。そして、ミミズが土壌にいるときといない時の呼吸量の比較を行った。土壌にいるときといない時で大きな呼吸量の差はなかった。また、温度応答を調べた。温度(5℃、15℃、25℃)についてはサクラミミズの呼吸では温度が高いほど高かったが、フトミミズでは15℃が最適値であった。以上から、発表者らが運用している土壌ガス交換量自動測定システムで、ミミズの個体の呼吸量が動的に測定できることがわかり、今度のミミズ研究への応用が期待される。


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