| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-46  (Poster presentation)

光と植物の応答

*関口貴子(群馬県立高崎女子高等学校科学研究クラブ)

 ブロッコリーなどの有機栽培で赤い色のライトを当てて育ている写真を見たことがあり、
光の中のどの色素が生物の成長にどのような影響を及ぼすのか知りたと思ったことを動機に研究を開始した。実験方法は、発芽させたアブラナとハツカダイコンの種を各5個ずつ、丸く切ったキッチンペーパーを8枚敷いた9cmシャーレにおき、上から透明、赤、黄、緑、青のセロハンを張った覆いをかぶせて25℃の恒温器内で栽培した。対照とては、黒い画用紙で作った覆いをかぶせたシャーレを作り、実験区と同じようにアブラナとハツカダイコンを栽培した。成長の記録は、子葉が展開した4日目から1日ごとに株全体の高さ、葉の色、茎の曲がりを記録した。
 結果、カイワレダイコンではどのセロハンで覆った場合でも、光なしと大差ない背丈となった。
一方アブラナでは、透明なセロファンを用いた場合、背丈の成長速度が他の色を用いた場
合に比べ低くなった。子葉の色はカイワレダイコンもアブラナも同じ緑になったが、茎の曲がりは、アブラナの方が顕著であった。
 以上の結果から今回の実験条件では、カイワレダイコンとアブラナの芽生えの成長は、セロファンの色によらず光強度の違いによって生じており、カイワレダイコンの方がアブラナに比べ、より強い光でないと茎の成長が抑制されないことが示唆された。


日本生態学会