地球システムモデルは、いわゆる気候モデルに対して陸域生態系や海洋物質循環、大気化学といった(生物)地球化学過程を導入した数値計算モデルである。地球環境変動メカニズムの解明や温暖化予測に活用されており、温暖化を1.5〜2度未満に抑える温暖化目標(パリ協定)に関しても、今後の緩和策に資するべくモデル開発および数値計算が行われる予定である。しかし、モデルが高度化・複雑化するにつれて、モデル開発・検証・改善に多くの課題が残されている。これに関連させつつ、本発表では地球システムモデリングの現状と課題、今後に向けた取り組みについて紹介する。