| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(口頭発表) I01-02 (Oral presentation)
2015年第62回鹿児島大会に引き続き林分葉量の経年変化に関する次のようなモデル解析を行った:Kira and Shidei (1967), 続いてOdum (1969)、そしてRyan et al. (1997, 2004)の提唱した林分葉量に関する仮説に加えて、古くはOshima et al. (1958)はシラビソ林に特異的な複雑な林分葉量の経年変化を観察し報告している。この変化を理論的に説明し、そのメカニズムを解明するため、林分(林冠)閉鎖後以下のような3つの仮定を設けモデル解析を行った:仮定[1]自己間引き則の成立(Yoda et al. 1963, Enquist et al. 1998)、[2]平均個体葉量と平均個体重との拡張相対成長(アロメトリー)則の成立(Ogawa and Kira 1977)、[3]林分密度の経年変化はある種のロジスティック式に従う(Ogawa 2012)。こうして築かれたモデルはOshima et al. (1958)の観察した林分葉量の一定性から減少という複雑な変化を表現することができた。また、Ogawa (2017)の提唱した単純相対成長則を仮定とした数式モデルは本モデルに包括され、本モデルはより一般性のあるモデルと言えよう。