| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
一般講演(口頭発表) I01-06 (Oral presentation)
樹木は樹高が高くなるため、果実や花などの繁殖器官の着生状況を目視で効率的に確認することが困難であった。近年ではUAV(ドローン)によるデジタル空撮技術を用いたフィールド調査が急速に発展を遂げており、樹木の繁殖器官を樹冠上部からも確認できるようになるため森林モニタリングへの応用が期待される。そこで樹木の繁殖調査のさらなる効率化を目的として、デジタル撮影した写真画像情報を元に、カラマツの球果を識別できる解析手法を検討した。元となるデジタル写真画像より9つの色画像情報を抽出し、それらの色画像情報を元にニューラルネットワークやランダムフォレストなどの複数の機械学習法による球果の判別を試行した。その結果、画像の背景や色調によって判別の精度は大きくばらつくものの、ランダムフォレスト法を用いることによってカラマツ球果を高精度で識別できるという結果が得られた。この結果から、上空からの空撮条件の検討などさらなる改善余地があるものの、将来的には森林樹木の繁殖評価の調査負担の軽減に役立てられると考えられる。