| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-169  (Poster presentation)

グッピーからカダヤシへの繁殖干渉 (1) 個別飼育実験による実証

*出岐大空(琉球大・農・昆虫), 鶴井香織(琉球大・戦略研究セ), 藤本真悟(琉球大・戦略研究セ), 立田晴記(琉球大・農・昆虫, 琉球大・院・農・昆虫), 辻和希(琉球大・農・昆虫, 琉球大・院・農・昆虫)

グッピーとカダヤシはいずれも沖縄島に定着している外来種である。この2種は互いに競争関係にあり、グッピーがカダヤシを駆逐しつつあるとされているがそのメカニズムは未解明である。繁殖干渉は種間の繁殖行動が引き起こす適応度低下のことをさし、種間の競争排除メカニズムの1つとして注目され始めている。そこで本研究では繁殖干渉に注目し、沖縄島で自然繁殖しているグッピー、カダヤシを使用した室内飼育実験により、沖縄島のグッピー、カダヤシにおける地域集団の絶滅や両種の棲み分けが繁殖干渉によるものか検討した。また、行動観察も同時に行い、繁殖干渉が生じる過程の検討も行った。
飼育実験に使用したメスはグッピー、カダヤシともに処女メスを使用し、オスは野外から採集してきたものを使用した。繁殖干渉の有無を調べるために、メスと同種オスを同居させた区、これに異種オスを加えた区など計6つの処理区に分けて飼育を行い、生まれてくる稚魚の数、稚魚体重、出産までにかかったに日数、メス体重を記録した。行動観察は一つの水槽につき10分行い、オスのハラスメント行動に対するメスの逃避行動の回数を記録した。
飼育実験の結果、グッピーの産仔数はカダヤシオスの存在に影響されないが、カダヤシではグッピーオスの存在が産仔数の減少を引き起こすことが示された。一方、行動観察の結果、カダヤシ競争区(カダヤシメス1・カダヤシオス1・グッピーオス1)はカダヤシ同種区(カダヤシメス1・カダヤシオス2)と比べメスの逃避行動回数が有意に少なかった。また、カダヤシ競争区におけるカダヤシのメスに対するセクハラ回数は、グッピーオスとカダヤシオスの間で差がなかった。
以上の結果より、グッピーから、カダヤシへの一方的な繁殖干渉が生じており、それはしつこい求愛や追尾行動などの交尾前行動が原因ではなく、種間交尾後の授精や精子選択の段階で起きていることが推察された。


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