| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-242  (Poster presentation)

奈良公園におけるサイズクラスによって異なるニホンジカの行動の季節変化

*辻野亮, 岡崎重史(奈良教育大学自然セ)

植生や季節,体重,性別,年齢などの様々な要因はニホンジカCervus nipponの行動パタンに影響を与えている.奈良公園におけるニホンジカの行動が幼獣・成熟メス・若オス・成熟オスの4つのサイズクラスで季節的にどのように異なるかを明らかにするために,日中 (9:00-16:00) にニホンジカのルートセンサス調査を行った.年間を平均して草やリターの採食行動比率は体サイズが大きいほど小さかったが,逆に人が給餌する餌 (鹿煎餅) に対しては体サイズが大きい個体ほど採食行動比率が大きく,他個体と競争する必要があったためと考えられた.行動パタンの季節変化はサイズクラスによって異なった.どのサイズクラスでもシバが生育する時期には概ねシバを採食し,秋に落葉やドングリなどのリターが供給される時期にはリターを食べていたものの,成熟オスと若オスでは開始時期が遅れた.10月頃の交尾期に成熟オスと若オスの繁殖行動が多くなり,リターの採食が滞ったと推測された.最も寒くなる1月と2月には,どのサイズクラスでも積極的な行動は避けて座って休息していた.


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