| 要旨トップ | ESJ65 自由集会 一覧 | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨
ESJ65 Abstract


自由集会 W21  3月17日 18:00-20:00 C会場

性が駆動する進化と生態:ゲノムから群集まで

別所和博(総合研究大学院大学/学術振興会特別研究員PD)、内海邑(総合研究大学院大学)、小林和也(京都大学)、安岡法子(奈良女子大学大学院)、和田哲(北海道大学大学院水産科学研究院)

 個体群を構成する個体が雄性と雌性で特徴づけられて、それに基づき遺伝子の混ぜ合わせが行われる有性生殖は、真核生物全般で普遍的に観察される繁殖様式である。このような「性」をもつことは、必然的に遺伝子間や個体間の相互作用を生み出し、それは様々な生態学的形質に影響を及ぼす。本集会では、性が生物のゲノム構造、繁殖システム、生活史や行動、個体群・群集構造、といった異なるスケールでどのような役割を果たすのか、という視点から、生態学における主要な話題の一つで有り続けてきた「性」を改めて捉えなおしてみたい。
 具体的には、総合研究大学院大学の内海は種子植物の胚乳の進化において母親由来と父親由来のゲノム間コンフリクトが及ぼす影響について、奈良女子大学の安岡はカキ類の繁殖生態、とくに性転換と個体間相互作用の関係について、北海道大学の和田はホンヤドカリ属の同所性近縁種間でみられる生活史や行動の変異と性の関係について、京都大学の小林は有性生殖が生物群集における多様性に及ぼす影響について話す。また、集会の最後にコメンテーターにコメントをお願いする予定である。

[W21-1] 種子植物の胚乳形成におけるゲノムコンフリクト *内海邑(総研大)、別所和博(総研大/特別研究員PD)、佐々木顕(総研大)

[W21-2] カキ類の繁殖生態-放卵種と抱卵種の性表現の比較- *安岡法子、遊佐陽一(奈良女子大)

[W21-3] メスのスケジュール管理下でオスが頑張る: ホンヤドカリ属を例に *和田哲(北大・水産)

[W21-4] 性に秘められた鍵 -生物多様性の維持メカニズム- *小林和也(京大・フィールド研)


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