| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-280  (Poster presentation)

東南アジアのクスノキ科バリバリノキ属の多様性
The diversity of Lauraceae Actinodaphne of Southeast Asia

*岡部憲和, 矢原徹一(九州大学大学院)
*Norikazu OKABE, Tetsukazu YAHARA(Kyushu university)

 クスノキ科バリバリノキ属は、主にアジアに分布し、およそ100種類ほどが記録されている。他のクスノキ科と同様に、熱帯林における重要な構成要素となっている。バリバリノキ属は、シロダモ属、ハマビワ属は形態的・分子系統的に非常に近い種であると考えられている。ところが、最近の分子系統学研究は、バリバリノキ属が多系統であることを示唆している。 その一方で、バリバリノキ属が単系統であることを示した研究もある。
 これらの先行研究には、様々な制限がある。 まず、それぞれの研究で全く異なった種の組み合わせを利用しており、対象種がサンプリングされた地域にも偏りがある。また、およそ100種存在するバリバリノキ属の植物のうち、22種のみの解析に留まっており、大部分について研究されていなかった。最後に、分子系統解析に用いられている領域が限定されており、再現性が低い可能性がある。
 本研究では、東南アジア各地(ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、インドネシア)でサンプリングしたバリバリノキ属の63サンプルの系統関係をMIG-seqを用いて明らかにする。さらに、これらのサンプルに専攻研究で扱われているサンプルを加えたITSによる系統樹を作成し、これらの系統関係も明らかにする。


日本生態学会