| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-369  (Poster presentation)

細菌叢時系列を用いたネットワーク解析
Network analysis in microbiota time series

*藤田博昭(京都大学大学院)
*Hiroaki FUJITA(Kyoto University)

Elton、Mayから始まり、長い間、生物群集における多様性と安定性の関係は、議論の的となってきた。古典的な生態モデルでは、多様性が高いほど群集の安定性は低くなると示されるが、自然界においては、その逆の事例も見られる。本研究では、細菌叢の変動をEDM(Empirical Dynamics Model)にあてはめて、群集の多様性と安定性の関係について考察する。EDMを用いるにあたり、密度の高い時系列データを得ることが重要となるが、野外観察で密度の高いデータを得ることは困難であり、実際にそのような研究例は少ない。また、実験系では時系列実験の例はあるが、反復回数が少なかったり単純な種構成であったりすることが多い。それらを克服するべく、私たちは、3種類の培地中で、土壌と水系の、合計で96の細菌叢を培養した。そして、DNAメタバーコディング技術により、細菌叢の64日間の時系列データを得た。現在も培養は継続しており、110日間培養する予定である。また、培養期間中に、人為的な攪乱を起こし、その前後で細菌叢の動態がどのように変化したかを見て、安定性を評価したいと考えている。今回の発表では、64日目までの細菌叢の変動について議論する。


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