| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-193  (Poster presentation)

AIとwebを用いた国際連携による市民科学プロジェクトの実践
AI and web based citizen science project with international collaboration

*小堀洋美(東京都市大学, 生物多様性アカデミー), 戸金大(東京都市大学, 生物多様性アカデミー), 咸泳植(東京都市大学)
*Hiromi Kobori(Tokyo City Univ., Biodiversity Academy), Dai Togane(Tokyo City Univ., Biodiversity Academy), Young-sik Ham(Tokyo City Univ.)

市民科学とは「市民が科学研究の一部または全てのプロセスに関わることで、多くの場合は研究者や研究組織との協働で行われる」との定義が国際的にも定着しつつある。日本では、1970年以降、市民参加型の優れた市民科学のプロジェクトが多数あるが、一方、課題として、1)若い世代の参加者の減少、2)得られたデータの共有化、分析、評価が不十分など、が挙げられている。これらの課題解決の方策として、AIとwebを用いた国際的に評価の高いiNatutalistをプラットフォームとした世界68都市が同時開催したCity Nature Challenge2018(CNC2018)の日本への導入を試みた。本報告では、東京で実施したCNC2018-Tokyoの実施概要、得られた成果、参加者へのアンケート結果を報告する。
本プロジェクトは2019年4月の4日間、東京都全域で実施され、アプリに登録した不特定の市民から642種2474の動植物の写真が投稿された。これらの写真はiNatualistの4万人のキュレーターが同定し、投稿された観察数の26.5%はResearchグレードに認定され、その割合は双子葉植物綱58.8%、鳥綱16.3%、昆虫綱12.6%、単子葉植物綱8.5%の順に多かった。外来種は23種と全種数の15.3%を占め、観察数では、全体の33.8%と高かった。
アンケートは、参加者の感想や今後の改善点などを把握するために2種類実施し、重回帰分析を行った。CNC2018-Tokyoのアンケート(n=105)では、プログラムを面白く感じた参加者やCNC2018に関心がある参加者ほど、将来にわたって同プログラムへの参加意欲が高かった。CNC2018(n=113)では、自身の住む地域の動植物について新たな学びがあったと感じた参加者ほど、また年配の参加者ほど将来にわたって同プログラムへの参加意欲が高かった。


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