| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-74  (Poster presentation)

多摩川河口の干潟におけるカニの分布
Distribution of crabs in the tidal flats of the Tamagawa estuary

*幡野大樹, 村尾幸太郎(筑波大学附属駒場高校)
*Hiroki Hatano, Kotaro Murao(HighSchool at Komaba)

  多摩川河口干潟は、塩性湿地という東京湾の干潟の中では特異な環境をもつためヨシを中心とする植生帯が存在し、カニの種類も豊富である。また、干潟は生物多様性の高い環境であり、そこに生息する生物は自然の浄化機能の一端を担っていることが知られている。そこで、私達は干潟の生物の分布を調べることは非常に重要なことだと考え、カニと底質の環境に注目して調査を行った。環境によって生息するカニの種類が異なるのか調査することを目的とし、カニが複数種生息できる理由を考察した。調査は岸からの距離と底質環境の違いに着目して、カニの種類と個体数の記録、底質粒子の構成と水分含有率のデータを取った。個体数の測定にはコドラートを用い、コドラート内のカニを双眼鏡で数えた。底質粒子の構成は底質を希釈、攪拌したものを顕微鏡で観察し、水分含有率は底質を完全乾燥させ「湿重量-乾燥重量」から求めた。結果は、クロベンケイガニ、カクベンケイガニ、アシハラガニといった塩性湿地のない干潟では確認できないカニが生息し、ヤマトオサガニの確認できなかった地点の底質は乾いているか砂を中心とするというものだった。まとめとして、ヤマトオサガニはシルトより小さい粒子の底質または水分の多い底質を好み、多摩川河口干潟は塩性湿地によりカニの種類が豊富であるといえる。


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