| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨
ESJ66 Abstract


シンポジウム S14-3  (Presentation in Symposium)

生態系デザインに向けた動物・植物・真菌・細菌・その他いろいろネットワーク分析
Network analyses of animals, plants, fungi, bacteria, etc for ecosystem design

*東樹宏和(京大・ 生態研)
*Hirokazu Toju(CER, Kyoto University)

 DNAメタバーコーディングによる生物多様性分析が標準ツールとなった現在、これまで観察が困難だった生物間の関わりを解き明かせるようになってきた。これまで、植物−真菌共生ネットワーク(Toju et al. 2014 Nature Commun.)、細菌−真菌共存ネットワーク(Toju et al., in revision)、腸内細菌ネットワーク(Kitada et al. 2018 Sci. Adv.)、魚類−藻類食物網(Hata et al. 2015 BMC Biol.)、クモ−六脚類食物網(Toju & Baba 2018 Zool. Lett.)などの解明を進めてきたが、技術開発によってさらにこの研究対象を拡大することを目指している。また、自然生態系の構造解明をハイ・スループットかつ高精度で解明するとともに、そうした研究で得られた知見を基に「生態系の設計」を行うことも目論んでいる。特に微生物群集に着目しており、多様な微生物を組み合わせて機能を最適化した微生物叢の創造を進めている(Toju et al. 2018 Nature Plants)。しかし、構成的な生態学を切り拓くためには、従来の「スナップ・ショット」ネットワーク分析のみでは相互作用に関する情報が不足する。この点において、empirical dynamic modelingなどの時系列分析に基づくネットワーク分析が重要性を増してくると予想される(Toju et al. 2017 Nature Ecol Evol)。微生物間相互作用の時系列動態に関する最新の成果に触れつつ、今後の展望を議論したい。


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