| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
一般講演(口頭発表) C02-08 (Oral presentation)
画像解析は生物多様性モニタリングの自動化と効率化を実現するための鍵になる技術である。特に3次元画像解析は2次元データでは得ることのできない多くの情報を得ることができるため、近年生態学においても利用が始まっている。本発表ではStructure from Motion(SfM)を用いた昆虫群集サンプルの3次元データ化とそれを用いたサンプルの重量推定の試みについて報告する。SfMは複数の写真画像から被写体の3次元構造を復元する手法であり、特殊な機材なしで標本の3次元データ化を行うことができる。このSfMを用いて滋賀県内でサンプルした昆虫個体を複数同時に撮影し3次元再構成を行った。再構成された点群からサンプルの高さマップを作成し、SfMにより測定された体積とサンプルの重量を比較した結果、高精度でサンプルの重量を推定できることがわかった。重量を含めた表現型のデータを効率的に取得するこのような手法はDNAをもちいた生態系モニタリングを補完する技術として利用することが期待できる。