| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
一般講演(口頭発表) G02-07 (Oral presentation)
海岸を除くケニアは,平地から海抜1500mまでサバンナ林,1500-2200mに熱帯乾燥林,1780-2900mに熱帯山地湿潤林が残されている。熱帯山地湿潤林は,アジアの亜熱帯林との共通属であるRapanea(ヤブコウジ科),Lasianthus(アカネ科),Psychotria(アカネ科), Piper(ココショウ科)が高い頻度でみられる。熱帯乾燥林は,東アフリカやインドの乾燥林に共通する,Croton(トウダイグサ科),Grewia(シナノキ科),Ochna(Ochnaceae), Clausena(ミカン科)他多くの属の種群から構成される。特筆すべき森林としては,Afrocarina volkensii林(ミズキ科),2240-2824mにHagenia abyssinica林(バラ科),さらに1862-2890mの痩悪立地や尾根部にJuniperus procea林が残存している。2325-3000mにはSinarundinaria alpinaが林床に優占するPodocarpus latifolia林が発達している。西部ウガンダ国境のMt. Elgonには,一般に乾燥林に生育する, P. falcata林が発達しており,林床にはAcanthus emineusが優占した林分を形成している。 2006-2019年に収集された約450の植生調査資料とBussmann 2002, Bussmann et Beck 1995の資料を総合した群落解析を行った。これらの森林を緯度,経度,海抜高度,気候資料を基盤として解析した結果,大地溝帯を境に東西の対比,海岸に近い,あるいは北部のサバンナに独立峰として位置する山地では,特異な林分の発達が認められた。植生調査資料を基盤とした森林再生実験を,ナイロビ(1661m)および西部のMau(2800m)で5年間行い,新入種の比較を60年生のKFSによる植林地と比較した。