| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-PC-310 (Poster presentation)
雌雄離熟や自家不和合性など、植物には自殖を避け、他殖を促進する仕組みを持つ種が多くいる。中には自殖を避ける仕組みを複数持つ種も存在する。そのような種では1つの仕組みは同花内自殖に、もう一方の仕組みは隣花間の自殖を忌避に貢献するなど、それぞれの仕組みが自殖を防ぐことにおいて役割分けをしていると考えられる。本研究では雌雄離熟・自家不和合性であるAnemone flaccidaを用いて、雌雄離熟が同花内での他殖の促進に寄与しているという仮説を検証する。
本研究では人工的に非雌雄離熟状態を作る操作実験と自然状態における雌雄離熟度合いの違いごとの結実率を比較することで雌雄離熟の種子生産への影響を調査した。
人工的に非雌雄離熟状態にした場合、無処理の花との間で結実に有意な差は見られなかった。また、雌雄離熟の度合いと結実の間にも有意な関係は見られなかった。これにより、雌雄離熟は種子生産の促進には寄与してないことが示唆される。発表ではその他の解析も交え議論する。