| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-PC-314  (Poster presentation)

琵琶湖に侵入したオオバナミズキンバイ種子の水鳥による周食型散布とその発芽能力
Ludwigia grandiflora seeds dispersal and germinability in Lake Biwa : endozoochory by waterfowls

*太田好美, 永岑吉祥, 稗田真也, 小林大輝, 野間直彦(滋賀県立大学)
*Konomi OTA, Saki NAGAMINE, Shinya HIEDA, Hiroki KOBAYASHI, Naohiko NOMA(University of Shiga Prefecture)

オオバナミズキンバイLudwigia grandifloraは北米南東部から南米を原産とする抽水植物で、特定外来生物に指定されている。オオバナミズキンバイには2亜種があり、琵琶湖には亜種ウスゲオオバナミズキンバイL.g.subsp.hexapetalaが侵入し増殖、駆除されている。分布拡大は植物体断片からの再生により起こる場合が多いが、種子繁殖も可能である。琵琶湖には多種の水鳥が生息しているが、カモ、ガン、バン類などは種子散布を行うとされている。2018年には琵琶湖岸で採集された水鳥の糞中から本種の種子が見つかり、自然条件下において水鳥による本種の種子の周食型散布が初めて確認された。ただこの研究は調査期間が短く、見つかった種子の発芽能力が検証されていないため、本研究では、排泄物中に含まれる種子数の季節変化と、その種子の発芽能力の有無について研究した。
琵琶湖南端近くの2ヶ所で、5月から12月にかけて水鳥の糞採集と種・個体数調査を行った。採集した糞は水で洗って中から種子を取り出し、水鳥の種・個体数調査は双眼鏡を用いて行った。また、2018年に水鳥の糞から取り出した種子を用いて発芽実験を行った。種子(N=122)を湿潤土壌、暗所25℃で40日間静置し休眠打破を行った。その後、25℃明条件/15℃暗条件の12時間交代で35日間の発芽実験を行った。発芽した種子は温室に移し、生育実験を行った。その結果、本種の種子は9、11、12月に採集した糞212個から103個見つかった。調査地で見られた水鳥は、10月下旬まではマガモとカルガモのみだったが、11月上旬以降はオオバン、ホシハジロ、ヒドリガモなどの様々な冬鳥が出現した。発芽実験では122個中4個の種子が発芽し、実生は5.4cmまで成長した。以上より、留鳥や冬鳥により本種の種子が散布され、排泄された先で発芽・成長している可能性があるため、生育地とその流域から離れた場所でも注意する必要がある。


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