| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-PC-389  (Poster presentation)

アライグマによる小鳥用巣箱の破壊に対する入口部アルミ板設置の効果
Effect of installation of the aluminum plate on the entrance of a small birds' nest box as a countermeasure for the destruction by raccoons.

*渡瀬彩佳(麻布大学), 吉田裕之(環境総合研究所(株)), 坂本有加(環境総合研究所(株)), 渡部栄一(環境総合研究所(株)), 長﨑薫(麻布大学), 南正人(麻布大学), 塚田英晴(麻布大学)
*Ayaka WATASE(Azabu Univ.), Hiroyuki YOSHIDA(Kansouken Co.,Ltd.), Yuka SAKAMOTO(Kansouken Co.,Ltd.), Eiichi WATABE(Kansouken Co.,Ltd.), Kaoru NAGASAKI(Azabu Univ.), Masato MINAMI(Azabu Univ.), Hideharu TSUKADA(Azabu Univ.)

東京都日の出町の谷戸沢広域廃棄物処分場はごみ処分場跡地を里山的自然環境へ再生する自然再生先進地であり、その一環として鳥類保全に取り組んでいる。2004年以降、場内全域に小鳥用巣箱が設置され、シジュウカラやヤマガラが利用し、環境評価指標として用いられているが、その一方で登攀性捕食者のアライグマやテンなどに巣箱が襲撃される事例が報告されている。襲われた巣箱には、爪痕や噛み跡が残され、特に巣箱の入り口部は狙われやすく、激しい損傷が認められる。本研究では、これら捕食者対策として、巣箱の入り口部にアルミ板(以下、保護ボード)を設置し、保護ボードの設置効果を検証した。保護ボード有り巣箱と、保護ボード無し巣箱を各10個ずつ設置して、両巣箱内に餌を置き、誘引された登攀性捕食者をセンサーカメラで撮影した。その結果、アライグマが登攀性捕食者として確認された。保護ボード有り巣箱では、入り口部に損傷は確認されなかったが、保護ボード無し巣箱では、半数以上で巣箱入り口部に損傷が確認された。以上の結果から、入り口部分の巣箱の破壊・損傷については、保護ボードの設置が有効な防除法となることが明らかとなった。


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