| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-PD-451  (Poster presentation)

山地河川のダムに生息するチャネルキャットフィッシュの食性
Feeding habit of Ictalurus punctatus inhabiting Dam located on the mountain river

*小林誠, 河内香織(近畿大学)
*Makoto KOBAYASHI, Kaori KOUCHI(Kindai Univ.)

チャネルキャットフィッシュ Ictalurus punctatusは北米大陸原産の淡水魚で, 1971年に養殖を目的とし日本に導入され, 埼玉県内や茨城県霞ヶ浦において養殖が開始された(丸山 1987). その後分布を拡大し(尾崎&宮部 2007), 現在は, 霞ケ浦, 利根川水系, 下小鳥ダム湖, 宮川水系, 阿武隈川水系, 矢作川水系の以上4水系にて多数確認されている(片野ほか 2010). さらに, 近年では琵琶湖淀川水系についても確認数が増加しており(片野ほか 2010), 奈良県では, 平成19年度「河川水辺の国勢調査」において, 布目川で初めて本種が確認された. 本種が外来種として在来生態系に影響を与える危険性は, 他国でも指摘されている(Ligas 2007). 例として, 本種の侵入地である日本国内では霞ヶ浦にて, ハゼ科魚類などの国内の水産有用資源, 水生昆虫類等への食害や, 定置網漁獲物の網内での横取りなど, 深刻な被害をもたらしている(半澤 2004). これらの被害を受け, 本種は「外来生物法 (2004)」により, 特定外来生物に指定され, 生態解明が急務とされている(環境省). 本種の原産国での生息域は, 日本ではあまり見られない草原等を流れる広大な河川であり(Reeve&Harry 1948), 国内の山間部に建設されたダム湖および周辺河川においては, 阿武隈川での生息事例が知られているものの, 食性に関する知見等は皆無である(鷹崎ほか 2018). 2016年度廣髙卒論において, 上流域の環境である布目ダム下流の布目川にて, 本種が生息していることが明らかとなった. そのことから, 布目ダムおよび周辺河川が本種の分布拡大の起点として作用している可能性が高く, ダムおよびその下流河川にて本種の生態を解明する必要がある. 国内では山間部にダムが多数建設されており, 布目ダムとその直下流河川に生息した本種の食性を明らかにすることで, 他の山間部のダムに侵入した本種の食性推定を行う上での一助としたい.


日本生態学会