| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PA-035  (Poster presentation)

ロボット聴覚技術を用いた鳥類の鳴き声観測に対するマルチスケールアプローチ
Multi-scale approaches to observations of bird vocalizations using robot audition techniques

*鈴木麗璽(名古屋大学), 炭谷晋司(名古屋大学), 松林志保(大阪大学), 有田隆也(名古屋大学), 中臺一博(東京工業大学, HRI-JP), 奥乃博(早稲田大学)
*Reiji SUZUKI(Nagoya Univ.), Shinji SUMITANI(Nagoya Univ.), Shiho MATSUBAYASHI(Osaka Univ.), Takaya ARITA(Nagoya Univ.), Kazuhiro NAKADAI(Tokyo Inst. of Tech., HRI-JP), Hiroshi G. OKUNO(Waseda Univ.)

対話ロボットやスマートスピーカなど,音を活用した実環境におけるサービスが身近になりつつある.それを支える技術の一つに,多くのチャネルを持ったマイクロホンであるマイクアレイを用いて,音源の到来方向を推定(定位)したり,到来音源を抽出(分離)したりする手法がある.我々は,ロボット聴覚オープンソースソフトウェアであるHARK(HRI-JP Audition for Robots with Kyoto University)と市販のマイクアレイ,ノートPCを利用した可搬の鳥類の鳴き声観測システムHARKBirdを開発し,野外での設置,GUIによる録音・音源定位・分離操作と結果の編集,分離音源の次元圧縮を利用した分類等を可能にし,フィールドで個体が,いつ,どこで(どちらの方向で),どんな鳴き声を発したかを,ノイズの多い実データから抽出可能な枠組みに発展させることを目指して観測を試行してきた.本発表では,国内外で実施したプレイバック実験における個体の鳴き声移動パターンの追跡や,ソングポスト等の鳴き声位置推定,夜明けのコーラスにおける音の空間的多様性の定量化などの取り組みを概観し,本アプローチが様々な時間・空間スケールにおける鳥類生態の定量的観測にいかに貢献しうるかについて論ずる.


日本生態学会