| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PB-165  (Poster presentation)

ウキゴリ属魚類による河川加入と餌資源利用
Recruitment and feeding habits of floating gobies

*満尾世志人, 飯田碧, 山本直, 中島智志(新潟大学)
*Yoshito MITSUO, Midori IIDA, Nao YAMAMOTO, Satoshi NAKAJIMA(Niigata Univ.)

海から河川への加入は通し回遊魚の生活史における重要なプロセスであり、特に両側回遊魚では河川加入直後の餌資源利用がその後の定着・成長と密接に関わっていると考えられる。そこで本研究では、両側回遊魚であるハゼ科ウキゴリ属の2種(スミウキゴリ、シマウキゴリ)を対象に、河川加入直後の餌資源利用について把握することを目的とした。新潟県佐渡市の河川群において胃内容物分析のための供試個体を収集し、合わせて潜在資源量調査を実施した。116個体について解析を行った結果、両種で胃内容物項目の構成は有意に異なっていたが、スミウキゴリ、シマウキゴリ共に最も高頻度で捕食していた餌はハエ目幼虫(大部分がユスリカ科)であった。また、Manlyの選択指数による解析では、全体として有意な選好性が認められたのはハエ目幼虫のみであり、加入直後の個体にとって河川内のハエ目幼虫が最も重要な餌生物であると考えられた。


日本生態学会