| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-PB-167 (Poster presentation)
河川生態系において、陸生·水生昆虫類は渓流魚の主要な餌資源であり、渓流魚が放射性セシウムを取り込む上で重要な役割を果たしている。本研究では、太田川上流域を調査地として、幅広い分類群の水生昆虫と陸生昆虫を採取し、放射性セシウムの濃度を比較した。水生昆虫の放射性セシウム濃度は、食性によって大きく異なっていた。放射性セシウム濃度は、藻類やリターを餌とするトビケラ目・カゲロウ目などで、肉食性のカワゲラ目・トンボ目・ヘビトンボ目などよりも高かった。また、陸生昆虫については、一部の種で非常に高い放射性セシウム濃度が観察された。昆虫類の放射性セシウム濃度に影響を与える要因として、調査地の汚染状況、食性、成長段階、季節等について検討する。