| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PB-167  (Poster presentation)

河川生態系における陸生·水生昆虫類への放射性セシウムの移行
Transfer of radiocesium into terrestrial and aquatic Insects in stream ecosystem

*趙在翼(国立環境研究所), 石井弓美子(国立環境研究所), 和田敏裕(福島大学), 難波謙二(福島大学), 寺本航(福島内水面水産試験場), 早乙女忠弘(福島内水面水産試験場), 斎藤梨絵(福島環境創造センター), 林誠二(国立環境研究所)
*Jaeick JO(NIES), Yumiko ISHII(NIES), Toshihiro WADA(Fukushima Univ.), Kenji NANBA(Fukushima Univ.), Wataru TERAMOTO(Fukushima Prefectural IWFES), Tadahiro SOHTOME(Fukushima Prefectural IWFES), Rie SAITO(Fukushima Prefectural CEC), Seiji HAYASHI(NIES)

河川生態系において、陸生·水生昆虫類は渓流魚の主要な餌資源であり、渓流魚が放射性セシウムを取り込む上で重要な役割を果たしている。本研究では、太田川上流域を調査地として、幅広い分類群の水生昆虫と陸生昆虫を採取し、放射性セシウムの濃度を比較した。水生昆虫の放射性セシウム濃度は、食性によって大きく異なっていた。放射性セシウム濃度は、藻類やリターを餌とするトビケラ目・カゲロウ目などで、肉食性のカワゲラ目・トンボ目・ヘビトンボ目などよりも高かった。また、陸生昆虫については、一部の種で非常に高い放射性セシウム濃度が観察された。昆虫類の放射性セシウム濃度に影響を与える要因として、調査地の汚染状況、食性、成長段階、季節等について検討する。


日本生態学会