| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PB-180  (Poster presentation)

倍数性植物ドクダミの遺伝的多様性と個体群構造
Genetic diversity and population structure of polyploid Houttuynia cordata

*井上(高橋)みずき(日大・文理), 飛田空(日大・文理), 佐藤光彦(東北大・農), 松尾歩(東北大・農), 陶山佳久(東北大・農), 瀬戸口浩彰(京大院・人間環境)
*Mizuki INOUE(Coll. Hum. & Sci., Nihon Univ.), Sora TOBITA(Coll. Hum. & Sci., Nihon Univ.), Mitsuhiko SATO(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Ayumi P MATSUO(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Yoshihisa SUYAMA(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Hiroaki SETOGUCHI(Life. & Sci.,Kyoto Pref Univ.)

地下茎や匍匐茎・ムカゴなどの無性繁殖をする植物は生息適地であれば有性繁殖もすることが多く、遺伝的多様性はある程度保たれることが多い。一方、無性繁殖としてアポミクシスをする場合、他個体との有性生殖や組換えが全く行われていない可能性があり、遺伝的多様性があるのかどうかは疑わしい。多年生草本であるドクダミは地下茎による無性繁殖をするだけでなく、アポミクシス種子を生産する。先行的に日本のドクダミを既存のSSR11座で解析したところ、日立・東京・岡山・京都で採取したドクダミがすべて同一の遺伝子型であった。そこで本発表ではMIG-seq法によるゲノムワイドなSNP解析を用いてドクダミの遺伝的多様性と個体群構造について明らかにする。海外20地点(中国、チベット、ブータンなど)、日本30地点(青森から宮崎まで)から採取したドクダミの葉、計504サンプルからDNAを抽出した。これらのサンプルについてMIG-seq法によるSNP解析を行ったところ、438サンプルの計1489座の遺伝情報が得られた。STRUCTURE解析の結果、日本と海外の集団は異なる遺伝子プールに属していることが明らかになった。日本のデータのみでDAPC分析すると4つのタイプに分類されたが、各タイプは日本中に満遍なく広がっていた。これらの結果を踏まえ、ドクダミの分布と遺伝的多様性について議論する。


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