| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PB-190  (Poster presentation)

草原に出現する巨大ヤマラッキョウについて
A giant Allium grouing in grass land (advance report)

*藤井俊夫(人と自然の博物館)
*Toshio FUJII(Museum of Nat. and Human. Act.)

兵庫県のヤマラッキョウを調査していると、図鑑の記載に逢わないヤマラッキョウが多数出現することが判ってきた。ヤマラッキョウは複数の倍数性が知られ(2倍体、4倍体、6倍体;野田・渡辺,1968など)、2倍体の一部の系統をナンゴクヤマラッキョウ(堀田,1998)、複2倍体をタマムラサキ(Makino, 1910)として、別種にされてきた。藤井(2018)に報告した、兵庫県の溜池の土手などに生育する巨大ヤマラッキョウについて若干の知見を得たので報告する。各種図鑑の記載について調査すると、ヤマラッキョウの特徴として、葉の断面が三角中空とされているが、図鑑によって異なっていた。長田(1981)野草観察検索図鑑の図では、葉が扁平中実の絵が描かれ、井波(1988広島県)植物図撰IVでは、三角中空の図が描かれている。現地調査によって、ヤマラッキョウには複数のタイプの葉の断面構造の系統が存在することが明らかとなった。ここでは草原に最もよく見られる葉が三角中空の系統(藤井,2018)について発表する。仮にこの三角中空の系統を巨大ヤマラッキョウと呼ぶことにする。巨大ヤマラッキョウは、図鑑に記載の(広義の)ヤマラッキョウの種内分類群と考えられ、葉の断面構造以外は、ヤマラッキョウと連続的につながるが、ススキなどと混生し、高さ80-160cmに達する個体がある。他に葉の断面構造で5系統ほどを認識している。


日本生態学会