| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PC-225  (Poster presentation)

マルハナバチ類の訪花に影響する要因-北海道十勝のカボチャ栽培の場合
Factors affecting the flower visits of bumblebees: A study on squash in Tokachi, Hokkaido

*中村祥子(森林総研), 紺野康夫(帯畜大), 秋本正博(帯畜大), 熊野了州(帯畜大), 平岩将良(農研機構), 池本美都(筑波大), 釘宮聡一(農研機構), 日下石碧(農研機構), 岡田珠緒(帯畜大), 小沼明弘(農研機構), 滝久智(森林総研)
*Shoko NAKAMURA(FFPRI), Yasuo KONNO(Obihiro Univ.), Masahiro AKIMOTO(Obihiro Univ.), Norikuni KUMANO(Obihiro Univ.), Masayoshi HIRAIWA(NARO), Mito IKEMOTO(Univ. of Tsukuba), Soichi KUGIMIYA(NARO), Aoi NIKKESHI(NARO), Tamao OKADA(Obihiro Univ.), Akihiro KONUMA(NARO), Hisatomo TAKI(FFPRI)

北海道では外来種のセイヨウオオマルハナバチが侵入・定着して久しく、十勝地方でもその数は増加している。セイヨウオオマルハナバチと在来マルハナバチ種の間には営巣場所や餌資源を巡る競争が懸念される。競争の強度は、生息地内で利用可能な採餌・営巣資源の量や、活動する時間帯、好む気象条件の類似性等によって変化すると考えられる。北海道で生産が盛んなカボチャは蔓性の雌雄異花同株植物で、大量の花蜜を分泌し、十勝地方では在来・外来マルハナバチ両方に頻繁に訪花されている。本研究では、土地利用、時刻、気象(気温)がマルハナバチの数や種構成、種間関係に与える効果を明らかにするため、同地域でカボチャを訪花するマルハナバチ類の捕獲を行った。山際から農地優占の景観まで、異なる立地の15のカボチャ畑において、カボチャが開花している午前中に各地点6日間、各日15分間訪花マルハナバチの種と個体数、時刻を記録した。さらに、調査地点を中心とした周囲の土地利用(畑、あぜ、造成地、林、水域)の割合を算出し、近隣のアメダスデータから当該時間帯の気温を抽出した。セイヨウオオマルハナバチと、個体数の多かった在来のエゾオオマルハナバチとエゾトラマルハナバチに着目し、以下の仮説を検証する。在来種と外来種の間では1)利用する景観の規模や依存する生息地が異なり、2)最も活動性の高い訪花時間帯や気温が異なる。さらに、3)在来種と外来種が共通して好む土地利用形態や、カボチャの開花量が少ない場所では、両者のカボチャ訪花個体数に負の関係がある。以上の結果から、在来種の保全について、外来種との関係性とともに議論を行う。


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