| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PC-337  (Poster presentation)

太陽光パネル設置が生物多様性に与える影響
Effect of solar panel setting on biodiversity in Japan

*藤田知弘(国立環境研究所), 津田直会(国立環境研究所), 北本朝展(国立情報学研究所), 亀山康子(国立環境研究所), 石濱史子(国立環境研究所)
*Tomohiro FUJITA(NIES), Naoe TSUDA(NIES), Asanobu KITAMOTO(NII), Yasuko KAMEYAMA(NIES), Fumiko ISHIHAMA(NIES)

1.はじめに:気候変動対策の必要性から、再生可能エネルギーの導入が日本各地で進められている。再生可能エネルギーのなかでも太陽光発電は近年特に発電量増加が顕著なもののひとつである。急増する太陽光パネル設置に伴い、生態系への影響が懸念される。しかし、日本全国スケールで生態系への影響について分析を行ったものは存在していない。そこで本研究ではメガソーラー(0.9MW以上)の設置に伴う土地利用の改変を解析し、さらにそれに伴う生態系への影響について分析を試みる。

2.方法:まずはじめに太陽光発電に関するデータベースを用いて全国に設置されたメガソーラーの位置を特定した。次にGISソフトと航空写真を用いて、各メガソーラーの面積を測定した。測定した面積とメガソーラー設置前の土地利用被覆を比較し、メガソーラー設置による土地利用の改変面積を解析した。

3.結果と考察:メガソーラー設置により生じた土地利用の改変を土地被覆別にみると、農地・草地・森林が多かった。特に森林は全体のおよそ30%を占めていた。以上の解析よりメガソーラー設置による森林の改変が起きていたことが示唆され、それに伴う生態系への影響が懸念される。


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