| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-PC-401  (Poster presentation)

初等教育におけるチリメンモンスターを使ったプログラムの開発
Making program of "Chirimen Monster "in elementary school

*伊藤宗彦(聖ヨゼフ学園小学校, 総合研究大学院大学)
*Munehiko ITO(Saint joseph primary school, SOKENDAI)

小学生向けの理科の発展的な学習として、「チリメンモンスター」を用いたプログラムを作成し、教育的効果の検証を行った。「チリメンモンスター」とはチリメンジャコに混入しているジャコ(カタクチイワシ等)以外のものを指す。児童はピンセットを用いて「チリメンモンスター」を見つけ、白い画用紙に任意の仲間分けを行う活動を行った。教育効果の検証には質問紙法を用いた。児童の活動の前後で質問用紙を配布し、活動を通して児童の海の生物多様性に対する興味・関心の変容が見られるかどうかを調べた。質問用紙の項目は「1. 生き物を大切にしたいと思う。2.海にはいろいろな生き物がいると思う。3.動物の仲間分けに興味がある。4.脊椎動物が何か知っている。5.無脊椎動物が何か知っている。」の5項目とした。それぞれの項目に対して、「とてもあてはまる、だいたいあてはまる、どちらともいえない、あまりあてはまらない、まったくあてはまらない」とし、理解度が高いものから5,4,3,2,1点としてカウントした。活動の前後で記入した質問用紙を用いて、それぞれの項目で検定を行った。以下の3つの項目(「1. 生き物を大切にしたいと思う。2.海にはいろいろな生き物がいると思う。3.動物の仲間分けに興味がある。」)では、活動の前後では有意な差は見られなかった。以下の2つの項目(「4.脊椎動物が何か知っている。5.無脊椎動物が何か知っている。」)では、活動の前後で有意な差が見られ、活動後の方が得点の上昇が見られた。本研究では、「チリメンモンスター」の仲間分けの活動を行うことにより、児童の脊椎動物や無脊椎動物に対する概念の理解が進んだことが示唆された。この結果より、「チリメンモンスター」を用いたプログラムには教育的効果があると考えられる。


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