| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-PC-409 (Poster presentation)
植物群落の位置付きデータを多数収集するにあたり、近年では地上レーザー計測が用いられるようになってきた。しかし、個体サイズが小さいプロットや、密度が高いプロットでは、レーザー光が対象個体に当たらない、もしくは、レーザー光が手前の個体に遮られるといった誤差要因が排除できない。そのため、バイオマス量の推定と言った応用においてはともかくも、研究に用いる基礎データとしては、メジャー等を用いた位置座標の直接取得が、今のところ最も確実な方法であろう。しかし、一度位置データを集めた後、再測を行おうとする段階で、単なる計測誤差に起因するとは考えられないような、位置データの誤りを発見することが少なからずある。この誤りは多くの場合、XY座標の取り違えや、座標値の記録間違えに起因すると思われ、他個体の位置や、プロットの枠との相対的な位置関係に照らし合わせることで判明することが多い。特に問題となるのは、この誤りに気付く頃には、誤った位置座標を用いて、既に解析が行われていることが少なくなく、かつ、これらの影響は統計的処理によって解決できないということである。したがって、最初の位置データを取得する際に、いかに誤りなくデータを収集するかが重要である。このような見地から、位置データを収集する際、他個体やプロット枠との位置関係を視覚的に確認しながらデータ収集を行えるようなタブレットツールを開発した。同時に、色情報を用いて、データの抜けを防ぐように設計されている。また、親プロットを方形の子プロットに分割して順次計測することを前提に設計されており、子プロットの原点にメジャーの0点が合っていない場合にも対応する。