| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-39  (Poster presentation)

LEDライトの波長の違いを利用したサンゴの成長促進 〜白化地域再生を目指して〜
Promoting coral growth utilizing the difference in wavelength of LED lights -Aiming for regeneration of bleached areas-

*平井亮太(玉川学園高等部)
*Ryota HIRAI(Tamagawa Univ.)

近年サンゴの白化が深刻化している。国際自然保護連合(IUCN)などの調査によると世界の3分の1のサンゴが絶滅の危機にあるという。サンゴを効率的に育てることができれば白化地域を再生することに繋がると考えた。そこでLEDライトの波長の違いに着目して効率的にサンゴを成長させる研究を行った。実験1.2ではサンゴの成長変化について調べ、赤色光と青色光が成長に適していることが確認できた。実験3では各波長の光条件下でサンゴの体内に共生する褐虫藻の増加量について調べ、こちらも同じく赤色光と青色光で増殖が促進された。そして実験4では褐虫藻の走行性について調べた。結果は実験1.2.3とは異なり緑色光に褐虫藻が集中して集まった。サンゴは保GFP緑色蛍光タンパク質を保有していて自ら緑色光を放つ性質がある。この理由については今まで解明されてこなかったが、今回の実験結果から緑色光には褐虫藻を誘引する効果が期待できる結果を得られた。これらの結果を利用してサンゴを飼育することでサンゴを効率的に育てて白化地域を再生させていきたい。


日本生態学会