| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-40  (Poster presentation)

埼玉県における外来生物アライグマの生息状況
Research of raccoon(Procyon lotor) habitat in Saitama Prefecture

*毛利穂香(埼玉県立蕨高校), 高田寛也(埼玉県立春日部高校), 翁雅悦(埼玉県立川越女子高校), 臼田侑真(埼玉県立熊谷西高校), 近藤花音(埼玉県立越ケ谷高校), 齊藤康太(埼玉県立坂戸西高校), Ryota TAKAHASHI(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Rino KIMURA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Ryosei KOBAYASHI(Saitama Warabi H.S.), Haruka SOGAWA(Saitama Warabi H.S.), Mizuki OKUZAWA(Saitama Warabi H.S.), Haruna ICHIMURA(Saitama Warabi H.S.), Shuto HIRANUMA(Saitama Warabi H.S.), Kihana MATSUDA(Saitama Warabi H.S.)
*Honoka MORI(Saitama Warabi H.S.), Hiroya TAKATA(Saitama Kasukabe H.S.), Masae OH(Saitama Kawagoe Girl's H.S.), Yuma USUDA(Saitama Kumagaya Nishi H.S.), Hanae KONDO(Saitama Koshigaya H.S.), Kota SAITO(Saitama Sakado Nishi H.S.), Ryota TAKAHASHI(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Rino KIMURA(Saitama Koshigaya Kita H.S.), Ryosei KOBAYASHI(Saitama Warabi H.S.), Haruka SOGAWA(Saitama Warabi H.S.), Mizuki OKUZAWA(Saitama Warabi H.S.), Haruna ICHIMURA(Saitama Warabi H.S.), Shuto HIRANUMA(Saitama Warabi H.S.), Kihana MATSUDA(Saitama Warabi H.S.)

 「チームアライグマ」は2014年に発足し、「多くの人に外来生物の今を知ってもらう」ことを目標に、埼玉県を中心に外来生物の調査、研究および外来生物問題の啓発活動を行なっている。定期的に野外調査や勉強会を実施し、年に1回シンポジウムを開催することやTwitterなどでの発信を行うなどの活動を通して、外来生物問題への理解を深めながら、啓発活動も活発に実施している。
 アライグマProcyon lotorとは、北米原産の中型哺乳類である。1960年代以降、家庭や動物園での飼育を目的として日本に持ち込まれたが、凶暴な性格ゆえに捨てられたり、脱走したりしたものが野生化、定着した。その後、その高い繁殖力で数を増やし続けている。アライグマによる農作物の食害や希少種の捕食、病原体の媒介等の被害は大きく、2005年に特定外来生物に指定された。また、アライグマの特徴としてタヌキと異なり尾に縞模様があることや、ハクビシンと異なり爪跡が5本あることが挙げられる。近年埼玉県内でも捕獲数が増加傾向にあり、東京都心部においてもアライグマが確認されるなど、その分布域を広げている。
 そこで本研究では2018年4月から2020年1月にかけて、チームアライグマの参加生徒で分担をし、埼玉県内200地点以上の寺社・公園等でアライグマの爪痕の有無を調査した。また、アライグマの生息しやすい環境を明らかにするため、爪痕調査の結果をもとに、調査地点の周辺環境の情報を踏まえてアライグマの生息しやすい環境の傾向を分析した。調査地点の周辺環境は、その調査地点より半径350m以内に河川、畑、果樹園、墓地等が存在するかどうかを指標として用いた。また、それらの指標のうちどの指標がよりアライグマを誘引するのかを明らかにするため、多変量解析の数量化Ⅱ類を用いて分析を行なった。なお、本研究は中谷医工計測技術振興財団の助成を受けて実施した。


日本生態学会