| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-41  (Poster presentation)

ドジョウとカラドジョウの違いに迫る
Study of the differences between Oriental Weather Loach(Dojou) and Pond Loach(Kara-dojou)

*Yosuke HIRATA, Tomoya SUZUKI(Koshigaya-kita highschool)

昨年度までの本校生物部での学校周辺の水路での水生生物調査において、外来生物であるカラドジョウMisgurnus dabryanusが多く採集されている。学校周辺の水路では、在来生物のドジョウMisgurnus anaguillicaudatusも同所的に採集されており、餌資源や生活空間、生活環などで重複が多く、カラドジョウの存在が在来生物であるドジョウの生態に影響を与えている可能性が懸念される。また、本校周辺で採集されるドジョウ類は、一般的なものと比べ体形が太短く、短躰型であるために体型などによるドジョウとカラドジョウの同定が正確でない可能性があった。そこで、採集されたドジョウ類の標本を用いて、標準体長と体高を計測し、またオス個体の胸鰭骨質板を用いた同定によって、これまでのドジョウとカラドジョウの同定が正確であったかどうかを検討した。また、肉食魚等の餌用に市販されている一般的な体形のドジョウと体長体高比を比較することで、ドジョウとカラドジョウの傾向に違いがないかを調査した。その結果、ドジョウに比べ学校周辺の水路で採集されたカラドジョウの体長体高比にばらつきが大きく、そのためにドジョウと体型が近いカラドジョウを誤同定していた可能性があることが示された。今後の課題として、同定にオス胸鰭の骨質板を用いたため、小型で骨質板が確認できなかったもの、メス個体について同定の正確さを検討することができなかった。そのような個体の中に、短躰型のものが見られるため、骨質板以外での同定方法について調べ、同定の精度を高めたい。また、学校周辺でなぜ短躰型の個体が多くみられるのかを調べたい。


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