| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-57  (Poster presentation)

高校生の手で運べる石を積んで自然再生
Bring and load stones on the river bottom to restore river ecosystem

*山本ひなた(岐阜県立多治見高校), 後藤優斗(岐阜県立多治見高校), 佐賀達矢(岐阜県立多治見高校, 岐阜大学応用生物), 杉本真弥(岐阜県立多治見高校), 坂本貴啓(土研・自然共生研究セ), 森照貴(土研・自然共生研究セ), 大池浩太(岐阜県立多治見高校)
*Hinata YAMAMOTO(Tajimi Senior High School), Yuto GOTOU(Tajimi Senior High School), Tatsuya SAGA(Tajimi Senior High School, Gifu University), Shinya SUGIMOTO(Tajimi Senior High School), Takaaki SAKAMOTO(Aqua Resotration RC), Terutaka MORI(Aqua Resotration RC), Kouta OIKE(Tajimi Senior High School)

私たちの学校の一番身近な川である土岐川は、岐阜県内の川で最も魚の多様性が豊富と言われている。一
方で、ゲリラ豪雨や台風による大雨などの自然災害を防ぐために、河川の改修工事が行われ、土岐川もその
支流もコンクリートで固められた部分が少なくない。私たちは、コンクリートで固められた川に生息する魚
の多様性に興味をもち、土岐川を管理している国土交通省や、土岐川の支流を管理している岐阜県の関係部
署と連絡を取りながら、多治見市立土岐川観察館の職員と共に、土岐川とその支流の生物調査を行なった。
その結果、カワヨシノボリ・アカザ・ドンコなどの底生魚は生息しているものの、減少傾向であることが分
かった。この結果を受けて、私たちは、底生生物が土岐川とその支流に生息し続けられるようにすることを
目標とした自然再生の取り組みを行いたいと考えた。まず初めに、川底の物理的な環境に自分たちの手で変
化を加え、川底環境と魚の生息状況について科学的な知見を得ることを目的とした実験を行なった。
本研究では、土木研究所自然共生研究センターにある直線の実験河川(二面コンクリート)にて、川底に
石を置いて流速に変化をつけたり、生物の住処となりうる構造物を設置したりして、魚の多様性が増加する
か実験を行なっている。本大会では、自然再生の取り組みの前後での生物多様性を比較した結果を踏まえて、
自然再生の効果を議論したい。川底環境は複数のパターン作成し、それぞれのパターンが河川の生物多様性
に与える効果も検証したい。さらに、実際の河川で実現可能な自然再生の取り組みについても議論したい。


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