生態学の研究において野外調査は非常に重要であり、多くの研究者が野外調査に従事しています。しかし、野外調査には危険が常に伴い、生命を失うような事故が起こる可能性もあります。実際に、生態学の調査中に死亡事故が起きています。そこで、野外調査の初心者をおもな対象に、安全に調査を行う方法をアクティブラーニング方式で学んでいただきます。
　講習では、野外調査中に起きうる仮想的な事故例を紹介し、調査を行う参加者が、事故を避ける、あるいは被害を最低限に留めるために、すべき事を、まず考えてもらいます。その後で、自分と自分の周りの人の安全を確保するために知っておくべきことを厳選して紹介します。調査に際しての心構え、調査に行く前にしておかなければならないこと（計画、保険、装備など）、調査中に注意すべきこと（健康、天候など）、事故への対処法などを取り上げます。参加者の皆さんからの質問をいただく時間もあります。
　卒研生やM1 の方など野外活動の経験に乏しい方の参加を特に歓迎します。また、研究室や研究ユニットの責任者の方にとっても、ご所属の安全管理体制の再確認に役立つと思います。
　さらに、野外調査をより安全に行うために注意すべき点をまとめたポスターを、ポスター会場で展示する予定です。その場合は、野外安全管理委員が質問に答える時間も設けます。
　なお、フォーラムやポスター展示の会場で、野外安全管理委員会編集の日本生態学会誌特別号『フィールド調査における安全管理マニュアル』をご希望の方に配布します。

皆さんの参加をお待ちしています。