| 要旨トップ | ESJ67 フォーラム 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


フォーラム U03  3月5日 12:45-14:15 Room E

保全生態学研究誌のオープンアクセス化
Japanese Journal of Conservation Ecology as open access journal

小池文人(横浜国立大学)
Fumito KOIKE(Yokohama National University)

オープンアクセス雑誌は,(1)だれでもオンラインで読むことができ,(2)再利用条件があらかじめ明記されていて利用する都度に著作権者の許諾を得る必要がない雑誌である.保全生態学研究(保全誌)では2018年の購読者・会員へのアンケート結果による学術雑誌の利用実態と,研究者を始め実務家や行政を含めた広範な読者を想定する保全誌の特性,自動翻訳などへの対応からオープン化が望ましいと判断した.ただし印刷された冊子は手元におくと綺麗であり,分野全体の俯瞰的な把握には有利であるため,オープンアクセスと平行してぜひ維持したいと考えている.
 これまで2019年にオンラインでのパスワードを廃止し,会員外の投稿や再利用条件の明記に向けた投稿規定の改定が進行中である.新しい投稿規定では会員以外も投稿できるが,生態学会会員は規定のページ数までの論文は無料で投稿できるので会員の投稿権は維持される.
 オープン化後には,生態系に関わるさまざまな応用分野の研究者や行政・コンサルタントなどの実務家のひとたちが,保全や持続可能性についての専門情報の取得と発表を行うオープンなプラットフォームとなることが期待される.応用分野の雑誌は農地周辺,森林,都市や公園,河川と海岸,海の漁場などに細分化されているが,それぞれの生態系で働いている生態学的過程には共通のものも多い.オープンアクセス化された保全誌は,誰でも読み,誰でも投稿することができるメディアとして,これらの場所での生態学的過程を統一的にあつかうプラットフォームとなる.
 この集会では,現在進行中の保全生態学研究誌のオープンアクセス化について編集委員長からこれまでの経緯や今後の計画を説明して質疑応答する.新しい投稿規定案に関する質問や,保全誌への投稿相談(このような内容を投稿したいが出版可能か,など)も歓迎する.

[U03-1]
説明と質疑応答 小池文人(保全誌編集委員長)
Explanation and discussion Fumito Koike (Editor-in-chief)


日本生態学会