| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


自由集会 W28-1  (Workshop)

改良されたMIG-seq法の概要
Overview of the improved MIG-seq

*陶山佳久, 松尾歩, 佐藤光彦, 廣田峻(東北大学)
*Yoshihisa SUYAMA, Ayumi MATSUO, Mitsuhiko P. SATO, Shun K. HIROTA(Tohoku Univ.)

次世代シーケンシング技術を用いたゲノムワイド塩基配列分析法として2015年に講演者らが発表したMIG-seq(multiplexed ISSR genotyping by sequencing)法は、手軽な一塩基多型(SNP)ジェノタイピング技術として、発表以来多くの研究で使われてきた。我々の研究グループでは、手法発表後も引き続きMIG-seq法の細部にわたる技術的な検討を続け、大なり小なりの改良を加えてきた。これまでに一部公表してきた大きな改良点としては、1)1st PCRのアニーリング温度(48度から38度に)、2)インデックス(デュアル化)、3)データ解析方法(SNP検出の各種条件変更等)が挙げられる。その後さらに、4)1st PCR産物の精製・平均化ステップの追加なども加え、本質的な手法のメリットを維持しつつ、更なる高精度化と取得データ量の増大(高効率化)に成功している。これらの変更は、あくまでもより高精度化・高効率化を目的とした改良であり、オリジナル手法を否定するものではないが、より高レベルのデータ取得のために是非とも参考にしていただきたい。
本講演では、まずごく簡単にMIG-seq法の概要と改良法の要点を説明し、次にそれらによって得られた個体・品種・集団・種の識別を中心とした研究例を紹介する。特に、生データのフィルタリングや、SNP検出の条件設定に関しては、材料や研究目的に合わせた設定によって大幅な高精度化・高効率化が実現されることがしばしばあるため、それらの具体的事例を紹介しながら説明する予定である。本講演では、出来るだけ自由に議論を交わしながら、より多くの方々にMIG-seq法を使っていただくための機会になるよう、有意義に時間を使いたいと考えている。


日本生態学会