| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


自由集会 W28-2  (Workshop)

MIG-seqデータ解析パイプラインの開発
Development of bioinformatics pipeline for analyzing MIG-seq data

*倉島治(東京大学), 廣田峻(東北大学), 松尾歩(東北大学), 伊藤元己(東京大学), 大林夏湖(東京大学), 佐藤光彦(東北大学), 木下晃彦(森林総研九州), 宮崎和弘(森林総研九州), 福井陸夫(全国食用きのこ種菌協), 陶山佳久(東北大学)
*Osamu KURASHIMA(Univ. of Tokyo), Shun K. HIROTA(Tohoku Univ.), Ayumi MATSUO(Tohoku Univ.), Motomi ITO(Univ. of Tokyo), Kako OHBAYASHI(Univ. of Tokyo), Mitsuhiko P. SATO(Tohoku Univ.), Akihiko KINOSHITA(FFPRI Kyushu), Kazuhiro MIYAZAKI(FFPRI Kyushu), Rikuo FUKUI(Edible Mushroom Spawn Assoc.), Yoshihisa SUYAMA(Tohoku Univ.)

Multiplexed ISSR genotyping by sequencing (MIG-seq) 法は、次世代シーケンサー (NGS: next-generation sequencer) を使ってゲノムワイドな配列情報を取得する新たな手法として注目されてきた。これまで、一塩基多型 (SNP: single nucleotide polymorphism) 情報から、集団遺伝学的解析、分子系統地理学的解析、分子系統学的解析などに用いられてきた。本手法は、多様な生物種を対象として、広範囲の研究に利用可能な反面、解析プロトコルの継続的な改良もあり、解析アプリケーションやその利用方法が、簡便な形で確立されているとは言い難かった。そこで、特に利用者の多いと考えられる分子系統学や集団遺伝学の初期解析のために、MIG-seq法を利用した分子系統樹作成までを支援するアプリケーションプロトタイプを開発した。このアプリケーションでは、1. Illumina社のMiSeq/iSeqシーケンサーデータのダウンロード、2. データのクオリティコントール、3. SNPの抽出、4.解析用データの出力、5. 分子系統樹の可視化、を実装することを目標として、プロトタイプでは2〜4の機能を実装した。複数の解析アプリケーションを連携させ、Webユーザーインターフェイスを備えることで、コマンド入力による解析に不慣れな研究者であっても容易に利用可能な操作性をもたせた。あわせて、MIG-seq法の改良に沿った標準的解析プロトコルを用意し、それらを選択することで、予備解析実施を可能とした。今後、1と5の機能実装も進め、データのダウンロードから、予備的解析結果出力までを統合的に支援するツールとして整備予定である。本研究は、農研機構生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受けて遂行された。


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