| 要旨トップ | 受賞講演 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


第18回 日本生態学会賞/The 18th ESJ Award

進化学を基盤とした生態学の進展
Progress of ecology based on evolutionary biology

河田 雅圭(東北大学生命科学研究科)
Masakado Kawata(Graduate School of Life Sciences, Tohoku University)

 1960年から80年代は、さまざまな進化の理論が提唱され、進化論論争の時代ともいわれ、生態学も大きな影響を受けた。そのような状況のなか、私は、80年代から個体間の違いと相互作用と集団への影響という問題を中心に生態学・進化学の研究をスタートした。当時は、ゲノム情報や遺伝子と表現型をつなぐ仕組みがほとんど解明されていないなかで、野外での行動や表現型研究や数理モデルを中心とした研究が生態学における進化研究の大きな割合を占めていた。しかし、2000年代後半からゲノム配列の解読が急速に進むにつれ、進化学は、ゲノム情報やそれに基づく表現型変異の解明を中心とした実証研究へとシフトしていった。本講演では、そのような進化学の進展の中、私自身の研究がどう関わってきたかということと、今後の生態学と進化学の展望について考察したい。


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