| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
一般講演(口頭発表) B01-06 (Oral presentation)
生態ネットワークの構造を定量的に評価するために多くの指標が開発されてきた。これらの指標はしばしばネットワークサイズと相関するため、サイズの異なるネットワークどうしで比較するときにはz scoreを用いて標準化することが推奨されている。しかし標準化する手法がすべての構造指標に有効かどうか明らかではない。そこで、よく使われる構造指標について、ネットワークサイズと標準化との関係を調べた。人工的に創出したネットワークを用いて計算したところ、量的データのネットワークではいずれの指標も標準化した値とサイズとの相関はみられなかった。一方、バイナリデータのネットワークでは標準化しても多くの指標でサイズとの相関がみられた。つまり、ネットワーク構造を比較するときは、量的データを使うべきであることがわかった。次に、実際に観察された量的なネットワークデータを用いて同様の計算を行ったところ、いくつかの指標について標準化した値とネットワークサイズとの相関がみられた。これらの相関の原因は、生態的影響やサンプリング努力による影響などが考えられた。