| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-152 (Poster presentation)
連続時間ロジスティックモデルは密度効果を入れたもっとも単純な個体群動態モデルである.連続時間モデルから離散時間モデルを導出する方法はいくつか知られているが,ここでは,その代表的な2つである,離散型ロジスティックモデルとリッカーモデルを用いて,メタ個体群モデルとしての違いを検討する.両者の欠点として,前者ではモデルのパラメータについての制約があり,後者では局所的な絶滅を扱いにくい,という特徴が挙げられる.そこで,前者について,すべてのパラメータに対して個体数が常に0以上となるような修正を加えたモデルを考えることにする.このような離散型修正ロジスティックモデルについて,分集団の間で一部分の個体が移動分散するようなメタ個体群モデルを扱う.一般的にメタ個体群モデルでは,すべての分集団が同期していないために,たとえ局所的な分集団の絶滅が起こっても,他の分集団からの移入のために,メタ個体群全体として存続することができる.本研究では,離散型修正ロジスティックモデルのメタ個体群モデルの特徴を明らかにするとともに,リッカーモデルのメタ個体群モデルと比較してどのような違いが見られるのかを調べる.たとえば,どちらのモデルの場合の方がより安定であるのか,どのような周期的なダイナミクスの特徴が見られるのか,等について報告する.