| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-230  (Poster presentation)

大型台風が河川景観と植物群落に与える影響
Impacts of a large typhoon on river landscapes and plant communities

*五十嵐公太(東京都立大学)
*Kota IGARASHI(Tokyo Metropolitan University)

生物群集に対して、撹乱は競争排除による共存機構とは全く異なる非平衡な共存をもたらし、撹乱の予測不可能性が地域的な多様性をもたらす。また、それぞれの地域に特徴的な自然撹乱は、地域に共存する生態系の構造・機能・動態をつくり出している主要因である。このため自然攪乱への理解は生態学における重要な課題であるが、その実態は規模、頻度、強度によって極めて多様なものとなっている。河川では雪解けや台風によって様々な強度で洪水が発生し、河川生態系における主たる自然撹乱として機能する。洪水による攪乱は礫河原を好む希少な在来植物の生育地を形成し、河川生態系全体の多様性を高めるとされてきたが、中規模攪乱仮説にのっとれば、これは比較的頻繁に発生する中程度の規模、強度のものに限定されるべきものである。すなわち数十年に一度の頻度でしか発生しない大規模洪水が河川生態系に与える影響は未知の部分が多く、また一度の洪水でも河道の蛇行や傾斜によって局所的に受ける影響には大きな差があるため、多面的な空間スケールでの影響評価が重要であると考えられる。
 東京都あきる野市を流れる秋川は2019年秋の大型台風による洪水によって河道内の地形が大幅に改変される等の影響を受けた。本研究では台風通過後約1年が経過した後の同河川で植生調査を行った。そして台風がもたらした地理的な変化などの要因が、再生する植生構造にどのような影響を与えるのか分析を行った。


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