| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-379 (Poster presentation)
近年、人間活動範囲の拡大につれて、樹木の伐採や経済建設開発を行って、森林は縮小や分断された状態となってきた。特に、都市近郊域においての完全な森林性ではなく、人間と共存できる野生動物はその影響を直接的に受けている。一方、日本では北海道固有な哺乳類エゾモモンガは都市市内や近郊域の林地に広域的に生息していることがわかっているが、分布状況についての研究は非常に少ない。また、近年、札幌近郊域に生息しているエゾモモンガに関する目撃情報は次第に少なくなっている傾向がある。地域個体群の存続について、配慮すべきだと思う。
そこで、本研究では、札幌近郊域においての二つ林地、真駒内公園(林地面積約46ha)と西岡公園(林地面積約20ha)におけるエゾモモンガを例にして、本種の生息状況の研究を行う。2020年の11月から2021年の3月まで、主にエゾモモンガの糞痕を通じて、生息状況を調べる。特に、糞の分布と量によって、トラップカメラ法を用いて、エゾモモンガの個体数と生息密度を推測しようと思う。最後、これらの研究の生態的知見を基づいて、今後都市近郊域に生息しているエゾモモンガの保全対策を検討しようと思う。