| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-061  (Poster presentation)

鳥類の鳴き声観測に対するロボット聴覚アプローチ
Robot audition approaches to observations of bird vocalizations

*鈴木麗璽(名古屋大学), 炭谷晋司(名古屋大学), 松林志保(大阪大学), 有田隆也(名古屋大学), 中臺一博(東京工業大学, HRI-JP), 奥乃博(京都大学, 早稲田大学)
*Suzuki REIJI(Nagoya Univ.), Shinji SUMITANI(Nagoya Univ.), Shiho MATSUBAYASHI(Osaka Univ.), Takaya ARITA(Nagoya Univ.), Kazuhiro NAKADAI(Tokyo Inst. of Tech., HRI-JP), Hiroshi G. OKUNO(Kyoto Univ., Waseda Univ.)

対話ロボットやスマートスピーカなど,音を活用したサービスを支える技術の一つに,多くのチャネルを持ったマイクロホンであるマイクアレイを用いて,音源の到来方向を推定(定位)したり,到来音源を抽出(分離)したりする手法がある.我々は,ロボット聴覚オープンソースソフトウェアであるHARK(HRI-JP Audition for Robots with Kyoto University)と市販のマイクアレイ,ノートPCを利用した可搬の鳥類の鳴き声観測システムHARKBirdを開発し,野外での設置,GUIによる録音・音源定位・分離操作と結果の編集,分離音源の次元圧縮を利用した分類等を可能にし,フィールドで個体が,いつ,どこで(どちらの方向で),どんな鳴き声を発したかを,ノイズの多い実データから抽出可能な枠組みに発展させることを目指して観測を試行している.本発表では,国内外で実施した観測調査における個体の鳴き声移動パターンの追跡や,音風景の可視化や多様性の定量化などの取り組みを概観し,本アプローチが様々な時間・空間スケールにおける鳥類生態の理解にいかに貢献しうるかについて論ずる.


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